2?3年くらい前でしょうか、個人サイトを作っている同年代の知人たちと、「最近見かける新世代のメールの文章」について話したことがあります。サイトを運営していると、いろいろな世代の知らない人からのメールをいただくのですが、この頃から、ちょっとビックリするようなメールがしばしば届くようになりました。
例えば、こんな感じです。

Subject:(何も書いてない)

○○のイラストかわいいですね!今度××も描いてください

Subject:こんにちは

自分は将来デザイナーになりたいです。どうすればなれますか?

これらに共通する特徴はというと、

・名前を名乗らない。シグネチャも無い
・挨拶も無く、用件だけ書いてある
・本文は短く、1?2行程度。改行無し

ではなぜ、このようなメールが増えたのでしょう?

皆さん想像がつくとは思いますが、おそらく携帯メールの影響です。
携帯では、アドレス帳に登録してあればメールアドレスで送信者がすぐわかりますから、名乗る必要性があまりありません。
確かiモードは件名が無いとダメなはずですが、どこかのキャリアは無しでも送信できるらしくて、「件名無し」に違和感を感じない人も増えているようです。
そして、携帯メールの送受信にはパケ代がかかりますから、携帯の世界では「メールの文章はできるだけ短く」が、むしろマナーなわけです。ですのでシグネチャなどの習慣もありません。

今では小学生でも携帯を持っている子供が増えました。この先、小学生がみんなPCを買ってもらえるようになるとも思えませんし、「初めて使ったインターネットのサービスは『携帯メール』」という人が、おそらく今後ますます増えると思います。PCのメーラーよりも先に、携帯でメールの使い方を覚えたという層が、これからどんどん大人になるのです。

ネット・コミュニケーションは幼児性から脱却できるか? 週刊!木村剛 より

 「KRISPYCUBE.COM」さんが、Eメールでのコミュニケーションについて、「インターネットの普及で、メール一本打つだけでサービス提供側にお手軽に簡単にコンタクトできるようになりました。お手軽になった反面、他人に対するマナーまでもお手軽にどこかに置き忘れているところもあるように感じられる今日この頃」と書いていらっしゃいましたが、全くおっしゃるとおりです。

この記事の前半で述べられている、議論と中傷合戦の区別がつかないような人たちについては、むろん論外です。ただ、そういう人はおそらく、ブログであろうとネットであろうとリアルであろうと、まともな議論のできない人だと思いますので、「ブログのマナー」の前に「議論そのもののマナー」の普及が必要だとは思いますが…。

そして、後半のEメールのマナーに関してなのですが、現社会人と、「携帯でメールを覚えた」人たちとの間には、明らかに大きな溝があります。境目は今の十代後半から二十歳前くらいです。掲示板に書く文章などにも、明らかにこの前後で差があります。
挨拶無し、用件のみのメール文は、自己中であるが故とは限りません。お互いを思いやった結果として生まれた、合理的な「新しい常識」とさえ言えるのではないでしょうか?
うちのような、若い学生さんが来てくださるサイトの管理者たちは、もうとっくにこういう文章には慣れっこだったりします。

ブロガーはまだ平均年齢が高く、わたしが以前に利用していたDoblogのユーザー調査では三十代が中心層でした。ですが無料ブログサービスが普及してきており、こういった「まったく違うカルチャーの世代」がブログに入ってくる日も遠くないと思います。現にネットには十代の人たちがあふれていますから。
彼らに「社会人の常識」を求めたところで無理というものです。何しろまだ社会人になっていないのです。
ですので、わたしは「ブログのマナーの向上」に関しては悲観的です。ブログが、現状普及している程度でとどまるのであれば可能かも知れません。しかしブログのブームが更に広まるのであれば低年齢化は避けられず、残念ながら今以上に「幼児性」(などと書くと若い人の反発を受けそうですが…)が見られるようになるでしょう。子供たちが急激に賢くでもならない限りは。
マナー向上を訴える必要は無い、とは決して思いませんが、「社会人の常識を知らない子供たち」とうまく折り合いをつける術を身につけるほうが現実的だと、数年間の個人サイト運営の経験からも、強く感じています。
後世畏るべし。特にITの世界は変化が早いのです。「正しいネットのマナー」を主張する自分の姿が、かつて「印刷された文章なんて心がこもっていない、相手に失礼だ」「パソコンなんて必要ない」と、ガンとしてOA機器の使い方を覚えようとしなかったオジサン連中と同じなのではないかと、常に疑うことも必要なのではないかと考える次第です。

ビジネスの場での連絡手段としてメールが普及し、今や「時候の挨拶」を書けない社会人が珍しくありません。わたしなんていつでも「拝啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます」で済ませてます。(……えっと、もしかしてうちの業界だけでしょうか? なんか自信無くなってきたんですけど(笑))
上の世代のビジネスマンの方々にとっては、嘆かわしい限りでしょう。

そして同様に、「携帯メール世代」が社会人の中心世代になる頃には、彼らのカルチャーが「社会人の常識」になることでしょう。わたしたちがいくら嘆かわしく思おうとも。
もっとも、その頃にはメールよりも更に新しいツールが普及しているのかも知れませんね。いずれはインスタントメッセンジャーがメールに取って代わるのでしょうか?(既に下火のような気がしなくもないですけど)
それともネットの「活字文化」は終わりを告げ、ボイスメールや「IM + 音声チャット」などが普及するのでしょうか?
いずれにしても、各々の環境に合わせた「新しいルール」が形作られてゆくに違いありません。

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「メールのマナー」は変化してゆく from チャイコスキーのぐち on September 21, 2004 1:08 PM

http://www.purplemoon.jp/blog/archives/2004/09/post_50.html 同じようなことで、悩みとは言わないまでも... Read More

あーうん。メールってそうだよね。 from A JACK IN THE BOX on September 23, 2004 8:58 PM

たまたま辿り着いたPurpleMoon blogさんのこの記事。 ちょっと立ち止まってゆっくり読みまして…。 こういうのが増えてるんだなぁと改めて実感というか…... Read More

メールのマナー from スキー、そしてブラジリアン柔術。 ???(ブラジリアン柔術とは?)??? on November 10, 2004 11:42 AM

始めに、ちょっと怒った調子で書かせていただきます。 実は現在所属している柔術のグ Read More

4 Comments

久しぶりにおじゃましてます。
マナーというのは世の流れに大きく変化していくものですね。
それがいい時もあるしむむぅ。。。って思う時もあります。
すべての人がというのは無理にしても、出来るかぎり人を不快にしないのがマナーとなってほしいですね。
それから、ふだん綺麗な文章やしゃべりをしてない私が言うのも何ですが、
言葉や文字文化の美しさは密やかにでも受け継がれていってくれたらいいなと思います。

まるたま。さん、こんにちは。
日本語については、本当に伝統を受け継いで欲しいと思います。
でもって現状、昔ながらの日本語を壊しているのはジョシコーセーよりもマスコミだったりするんですけどね、凶牛病をBSEと言ってみたり三国人は差別語だといってみたり(笑)

お邪魔いたします。
こちらの記事を自分のブログの参考にさせていただきました。
近頃受け取るメールの中にはちょっと常識(この「常識」の定義も変わりつつあるのかも知れませんが)とはかけ離れたものも増えてきたように思われます。
メールマナーの変化についてですが、確かに携帯電話などの影響で変わってくることは間違いないでしょうね。しかし、まず挨拶を書くとかお礼を返すといった基本的なことはこれから先も変わらないことだと思います。メールの書き方(タイトルや名前をきちんと入れるなど)云々よりも挨拶・お礼のような「社会人でなくても(子供でも)分かっていなければならない社会的ルール」をまずしっかりと身につけて欲しいですね。

失礼致しました。

SAGEさん、こんにちは。記事読ませていただきました。
本当に、お礼なんてひとことでいいのに、質問や文句の文章は書けるのに、なぜお礼の言葉は書けないのでしょうね…?
もちろん、ネットやケータイについて正しく教えてあげられる大人が少ないのも問題なのでしょうけど。

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