切ないです。
何が切ないって、オビに書かれてるキャッチが「4人家族になりました」ですから…。

西原理恵子は、なぜこうも「平穏無事」とかそういう言葉とは無縁なのでしょう?
まあ、大概の場合は自ら進んで修羅場に乗り込んでいるのでしょうが…。

西原さんが作中で自ら「20年間ウソばっかり書いてきた」と述べているように、この方は根っからのギャグマンガ家であって、決してノンフィクション作家ではありません。
突拍子のないことばかりする息子、恐ろしいまでに小悪魔な娘、子育てのウサをお酒で晴らす、強くたくましいママ友たち。マンガの中で、キャラが立ちまくっている登場人物たちに囲まれて笑いに溢れた生活をしている西原さん。しかしおそらく、この人のご近所さんたちだけが、日本中でとりわけ面白い人たちだけが集まっているわけではないのでしょう。
この人物たちを普通の人に表現させれば、せいぜい「普通の元気な子供さんたち」に「普通の奥さん方」となるところを、西原さんの観察眼と筆でもって、こんなにも個性を際立たせているのです。セリフだって、演出が多分に入っていることでしょう。

でも、そのエンターテインメント溢れるマンガの中で、古来からフィクションを盛り上げるファクターとして擦り切れるほど使われてきた「愛する人の死」という結末だけが紛れもなく現実であることが、切ない。

カメラマンの鴨志田穣さんが死去 asahi.com 2007年03月20日17時49分

 鴨志田 穣さん(かもしだ・ゆたか=カメラマン・エッセイスト)が20日、腎臓がんで死去、42歳。葬儀は近親者のみとし、後日「お別れの会」を開く。喪主は元妻で漫画家の西原理恵子さん。

鴨志田氏が亡くなったのが今年の春ですから、この4巻はまだその手前までの話だと思って購入したのですが、亡くなったところまでのお話が描いてありました。しかも書き下ろしで。
西原さん、つくづくプロな方だと思います。

そういうわけなので、この本を読むなら家の中で読むことをオススメします。特に涙腺ゆるい方。
わたしは外で読み始めてしまいまして、えらいことになりました…。

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