世界のゲーム市場を比較

とあるSNSでリクエストいただいたので、ゲーム業界を知らない人でも分かる!ゲームソフトの内外市場分析です。
ゲーム業界に関して前知識の無い方向けに、概要のみ書いていますことをご了承ください。
他業種からの参入をご検討中の皆様のご参考になれば幸いです。


★市場の分類
まず、世界でゲームソフト販売が市場として成り立っている地域を、販売の傾向から大きく分けると3つに分類できます。
1.欧米地域
世界第1位の市場規模を持つ、マイクロソフトのお膝元、北米を中心とした英語圏、及び欧州。
2.日本
世界第2位の市場規模を持ち、任天堂及びSONY本社を抱える日本。
3.日本以外の東アジア地域
韓国と中国香港、台湾に最近ではシンガポールも入りつつある様子。
それぞれの詳細を語る前に、まずゲーム市場自体の解説を簡単に。
まず、ゲーム業界そのものが大きく2種類に分けられます。

1つはコンシューマゲーム機市場。これはいわゆる家庭用ゲーム機(含む携帯ゲーム機)と、そのソフトや周辺機器で成り立つ市場です。
主な販売形態は玩具店などの小売店やオンラインショップを通じたパッケージ販売ですが、最新のゲーム機のほとんどはネットに対応しており、ダウンロード販売も普及しつつあります。
現在のコンシューマ機市場そのものを築いた任天堂、セガ(ハード事業は既に撤退)、SONYと、ハードウェアメーカーを多数擁する日本が強い分野です。


もう片方が、PCゲーム市場。
WinやMacといったPC上で動作するゲームです。
ソフトの販売形態としては、パッケージはもちろんですが、ネットとの親和が高い為、ゲーム機よりも前からダウンロード販売も行われていました。
また最近では「カジュアルゲーム」と呼ばれる、ブラウザ上で動作するタイプや、クライアントを無償で配布し、広告やゲーム内のアイテムデータの販売で収益を上げるビジネスモデルも台頭しつつあります。
前者に関しては、MSにapple、Intel等々を擁する欧米が強いのはもちろんなのですが、後者は近年、アジア地域で急激に発展している形態です。
残念ながら、小売りからの販売データを集めることが可能なパッケージソフトに対し、ダウンロード販売に関して正確なデータはほとんどなく、データで実証するのは難しいのが実情です。
以上を念頭に置きつつ、以下の分析をお読みください。
★欧米ゲーム市場
コンピュータゲームを発明したのもコンシューマゲーム機を発明したのも米国人ですが、例によって日本にお株を奪われても米国産業界は焦りませんでした。欧米には既にPCのコンピュータゲーム市場があったので、「いずれPCがどんどん安価になって、ゲーム機を駆逐する」と考えられていたからです。
考えを改め始めたのは、SONYなどが「ゲーム機をホームコンピュータとして活用する」というビジョンを打ち出したころです。「PCより先に、日本のゲーム機がホームコンピュータの座を獲得してしまうかも知れない」と焦ったMSが「Xbox」でゲーム業界に大々的に参入を果たしたのが2001年。
従って、MSにとってゲーム機事業は「負けなければ勝ち」であり、あくまで主軸はPC。
特に近年はPCの性能がどんどん進化し、Webブラウズとメールくらいの使用目的であれば買い換える必要もない状況において、高いスペックを要求する最先端の技術を用いたゲームソフトは大勢のユーザーに新型PCへ買い換えさせる牽引役として期待が高まるばかり。nVIDIAなどのビデオカードメーカーの支援により、次々に新しいゲームが生み出されています。
また米国はクレジットカードの普及率が高いことなどもあり、早くから月額課金のオンラインゲームも普及しました。
以上の経緯から、特に米国では「ゲーム機=子供向け、ファミリー向け」「PCゲーム=最新のゲームを好むマニア向け、大人向け」という住み分けが出来上がりました。
★日本市場の特殊性の要因
すぐに思いつくのが、
1.常に複数のコンシューマ機メーカーが競争を繰り広げていたことによる、コンシューマ機の普及率の高さ
2.言語障壁
3.アニメやマンガを含めたサブカル文化が発展していることによる独特の嗜好
といったところだと思いますが、実はもう1つあります。
4.家が狭い等の理由による、高性能デスクトップPCの普及率の低さ
です。
日本は世界でも稀な、自宅専用PCにもノートPCを使う国です。また米国のようなPCの低価格化競争もなかなか起きませんでした。
最近ではビデオカード搭載型のノートPCなどもあるようですが、普通のデスクトップよりもよっぽど高価…。そんな状況ですから,最新の技術がウリのPCゲームをプレイできる環境を持つ人は日本には未だに少なく(電通が大プッシュしたSecondLifeがちっとも流行らなかった原因の1つでもあります)、「ゲームするならゲーム機」という考えが定着していきました。PCゲームをプレイするのは、一部の洋ゲー(欧米のゲーム)ファンくらいなのが実情です。後はアダルト。
最近では低性能のPCでもプレイできるカジュアルゲームが多数登場し、徐々に人気を集めつつありますが、あくまでライトユーザー中心。日本においては、お金をたくさん落とすマニアもコンシューマを好む状況に変化はなく、日本の各ゲームメーカーはファミリー向けからマニア向けまで、多種多様なソフトをコンシューマ市場に供給、ファンをつなぎ止めています。
そして、「洋ゲーマニア」はそもそもPCゲームを買ってしまう人が多いことなどもあり、ソフトのラインナップが洋ゲー中心であるMSのゲーム機は、日本では任天堂、SONYに続く三番手に甘んじたままとなっています。
★アジア市場
この地域の最大の特徴は、海賊版ソフトが横行していることです。
家庭用PCの普及率の低さもあり、コンシューマもPCも、長らく市場として成り立たない状態だったところへ、初めてビジネスモデルを確立させたのが韓国のゲームメーカー。「ネットカフェでオンラインゲームをプレイする」という形態でした。
ゲームをプレイする為にサーバに接続したところでアカウント認証を行うわけですから、クライアントがどれだけコピーされても実害がないというわけです。
韓国政府によるIT事業推進政策や、韓国のみならず中国でもネットカフェが普及していったことも後押しし、この地域は世界でも特殊な「PCのオンラインゲーム中心のゲーム市場」を形成するに至ります。
また、韓国は以前から日本製のマンガやアニメが普及していることから(もちろん海賊版なのですが)、絵柄の好みなどが日本と似通っており、韓国の大手オンラインゲームメーカーの多くが日本に進出し、一定のユーザーを獲得しています。


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4 thoughts on “世界のゲーム市場を比較

  1. はじめまして。^^
    北京に住んでおります。こちらでよく見る暇そうな店員が店のパソコンで堂々とゲームしてる姿や、スーパーの地下街のネットバー(パソコン台がズラーっと並んでるだけで壁一切なし、通路からも丸見え)でほとんどの人々が黙々とゲームをしてる姿、あれはまさに「世界でも特殊な『PCのオンラインゲーム中心のゲーム市場』」の姿そのものというわけなのですね。
    つまりネットバーってゲームセンターだったのか!

  2. >pea さん
    どうも、はじめまして。今後ともよろしくお願いいたします!
    なるほど、北京ではネットバーというのですか。
    とはいえ、もちろんお酒が出てきたりはせず、ひたすらPCゲームで遊ぶ人々の背中が並ぶだけなのですね?(笑)

  3. ネットバー、「網?」と書きます。^^
    背中が並ぶだけじゃなく顔が並んでいるのも見えちゃうのですよ。
    モニターの明かりで照らされた、モニターを見つめる顔顔顔・・・・・。

  4. >pea さん
    >モニターの明かりで照らされた、モニターを見つめる顔顔顔・・・・・。
    真剣な顔をして、何をしているかと思えばゲームなのですね。
    中国も韓国同様、政府のIT化政策の一環としてネットバー普及を後押ししているはずですが、そこでお客が何をしているかといえばネットゲームなのですから、ちょっと、それでいいの?!という感じがしなくもないですね(笑)

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