久しぶりに(たぶん)切込隊長さんがゲーム業界の現状の話を書いてらしたので、便乗。
若い学生さん方の目にあまり触れさせたくないこの手の話題は、あまり書かないようにしているんですけど…。
稼げなくなった大御所をどうするか問題 切込隊長BLOG(ブログ)これは、凄まじい閉塞感だぞ。景気が悪いとかいう話じゃない。昔だったら、シンプルシリーズで席巻したD3なり、韓国や中国から安かろう悪かろうでタイトル引いてきてちょっとした利益でも喜んでくれるオンラインゲーム会社なり、ゴミみたいなアプリでも出会い系もどきで顧客が稼げる世界なり、いろいろ逃げ道はあったけど、いま企画している界隈で2年後の結果を想像するに、これは怖い。
2004年の年末にNintendoDSが発売され、2005年にはぶつ森や脳トレが大ヒット。
勢いに乗ったNintendoの次世代機Wiiと、据え置き着で圧倒的シェアを誇ったPS2の後継機、PS3発売されたのが2006年の年末。
当然PS3が三度市場を制覇するとの大方の予測を裏切り、SONYさんの迷走ぶりが露呈、据え置き機王者の座を任天堂が奪還したと誰もが認めざるを得なくなったのが2007年夏あたりでしょうか。
そのころの、大方のゲーム業界関係の人間は、こんな風に考えていたはずです。わたし含め。
「PS3中心の開発スケジュールを組んでいた大手ゲームメーカーが、今から方向転換をし始めるわけだから、2009年の頭くらいからWii向けのサードパーティータイトルがポツポツ出揃ってくるってとこかな。」
さて、その2009年の4月になったわけですが、ゲーム業界の現状はどうなっているでしょう? Wiiのサードパーティータイトルは出揃ったでしょうか?
答えは言わずもがなで、サードどころかファーストである任天堂さんの新作大型タイトルもなかなか聞こえてきません。
原因はいくつか考えられます。もちろん、あくまで予測ですが。
まず、任天堂さん自身が「2009年ごろにはサードのタイトルが出てくるだろう」と予想していたであろうこと。
一度王者の座から落とされて以来、任天堂さんはビックリするくらい他メーカーに気を遣っています。「任天堂ハードでは任天堂製のゲームにはとても太刀打ちできない」というサードの白旗に等しいボヤきに気を遣い過ぎ、大型タイトルの開発をペースダウンさせたキライが…。
そしてもう1つが、Xbox360の大健闘。今までは「Xbox=海外市場」という考え方が定説でしたが、国内で遂に100万台を突破し、なんだかそうもいい切れないくらいの規模になってきています。それでなくてもPS3やXboxのユーザーというのは、ゲームにたくさんお金を落とす、いわば「従来からのゲームマニア」の層であり、ゲームメーカーにしてみれば「従来のタイプのゲームを買ってくれる、商売しやすい層」。
「普及台数はダントツでビジュアル面の開発費が抑えられるけど、ユーザーの嗜好がいまひとつ読みきれないWii」と、「普及台数ではWiiに遠く及ばないけれど、従来のゲームマニアという固定層がついているせいで読みやすくて底堅いPS3+Xbox」との間で、サード各社はスタンスを定められない状態。
さあ、あなたがサードの経営者ならどうしますか??!(唐突に読者さんに投げてみる)
日本的な保守的志向の経営者であれば、まあこう考えるのがセオリーなのではないでしょうか。
「DS向けに年に数本お手軽ライト向けソフトを出して、従来のマニア向けの大作ソフトはPS3と360に特化しよう。」
限られた経営資源を最も有効活用でき、安定した売り上げも見込める、極めて手堅い方針に見えますよね?
が、しかし。
これでうまくいっていないのが現在の日本のゲーム業界の辛いところなのです。
「従来のゲームマニア」がPS2から移行しているはずのPS3や360に向けて、従来の手法、即ち「有名人気クリエイターを起用して豪華なグラフィックを露出させて『感動の超大作!』」という、従来の手法で作った大作ソフトが従来のように大ヒット……しないのですよ、これが。切込隊長さんのエントリーの通り。
底は固くても上はちっとも固くないのです…。
「じゃあいったいどうすりゃいいんだ」と頭を抱えるしかないサード各社の悩み、お分かりいただけますでしょうか?(いや、そんなの分かる必要は無いんですけども)
ところで。サード各社がこの薄暗い閉塞感に包まれる中、なぜ任天堂さんだけが悠々と最高益を更新したりできているのでしょう?
「カネがあるからでしょ」なんて、スレたゲームマニアさんが答えてくれそうですが(笑)、お金があるのは商品が売れるからであって、決して逆ではありません。
そのあたりについての考察は、また次のエントリーにて。
美夜さん
サードは今一番経営の舵取りが難しいのかもしれません。いままでは市場を圧倒的に独占するファーストパーティが1社いて、そこに特化していくのが王道で、なんだかんだで市場(海外込)は右肩上がりで、技術の進歩が受け入れられて…という図式だったのが、DS登場あたりから技術の向上と売上が必ずしもマッチしなくなり、複数のハードが共存する形となり、新作の売上の読みが難しくなり…まあ状況が変わってきたんですね。
海外もWiiの登場あたりから、サードパーティが似た悩みを持ってるみたいですし(Wiiで売れない、PS3・Xbox360のコストUPなど)
こういう状況で今は特にi-Phoneとかに熱い視線が送られているんですが、あれもi-modeできたときとおんなじことが起こってる気がして、大騒ぎしたけど、最終的に残るのはほんの数社で、今は供給過剰で収益が上げずらそうですし。もちろん企業としてはチャレンジすべきなんでしょうが。。
日本のゲーム業界の経営者・クリエイターのインタビューとか見てると、ソフト・カジュアル路線は認めるけど、やっぱり得意な部分で勝負したいってのが本音のように読み取ってます。
前置き長くなりましたが、個人的にはやっぱり変化が必要なのだと思います。そんなに詳しくないんで個人的意見ですが、据え置きは続編に特化して、コスト・開発期間の短いポータブル型ゲーム機のみに特化して、数本ではなくもっと多くの本数の新しい作品に開発資源を特化してチャレンジしてみる、とかでチャンスの機会を増やす方がいいのかな、と。まあ舵取り変えて組織に変化起こすのって本当に苦労するし大変なんですが。。
閉塞感って部分を考えると、やっぱり新しいものや変化が必要なのかな、と思ったりします。挙げられていた任天堂も本当に苦しい時期があって、でも既存向けのままやってたらダメだというのを軋轢が生まれないようにしながらみんなに訴えて今の状況を作れたと認識しているので(その結果がゲームユーザーの拡大・ソフト路線の開拓だと思います)。でもこれってゲーム業界に限らず、日本や若者を包んでいる状況にも似てるな…閉塞感ってボディーブローのようにやる気とかを徐々になくさせていくんですよね。。
>kt- さん
はい、本当にもう、サード各社頭を抱えているところだと思います。
「ゲームが全く売れない」のではなく、ハードはそこそこ売れているだけに、では自分のところの会社は今後どの路線で行けばいいのか迷いに迷ってしまう状況ですね。
i-Phoneに関してはおっしゃる通りで、諸外国とは違い、日本の業界はかつてi-modeで全く同じ状況を経験しているので、それに関しては悩むこともないのですが。
「変化」に必要な事柄については次回また書くつもりですが、いやホント安定志向の日本人には難しいところなんですよね…。
「やったー 10万本突破!」
「すいません、25万本売ってペイなんですけど…」
見てビックリ、、長々とすいません。
>切込隊長さん
見てちょっと微笑んでしまったのですが、25万ってやっぱ採算ライン高いですね(昨年のPS3ソフトでも結構上位になりますね)。。ある程度大型タイトル作るとこうなるんでしょうが、コスト構造がやっぱり悪いかも…パッケージ部分以外に収益出せる方法が必要なのかな。。
自分にできることはほぼないんですが、とにかく安い給料ですがやりくりして、面白そうな新作をなるべく買いますわ。。頑張ってほしいんで。
>切込隊長 さん
わ、おいで頂きありがとうございます。
今年、お子さんが生まれるご予定なんですよね? 子供さんができて、家でゲーム禁止になっても「会社でゲームする」という手が使えるのは、ゲーム関連の会社の特権ですね!(せせこましい特権ですが(笑))
>kt- さん
>面白そうな新作をなるべく買いますわ。。頑張ってほしいんで。
うううっ、暖かいお言葉…。