昔から日本のテレビアニメは海外で盛んに放映されてきました。
しかし、日本で人気の作品が海外で人気になるとは限らず、逆に日本よりも海外で人気を得た作品もあります。子供といえど、国や文化によって好みが違うのは当然のことです。
ガンダムと米国の日本離れ YOMIURI ONLINEワシントン支局に勤務していた2002?06年、米国のアニメ専門局では先のガンダムを含め日本の作品が連日放映されていた。この国で、こうした非英語圏の番組が多数放映されるのは異例のこと。これが近年のブームの牽引役となったのだが、今この局での日本作品の放映は土曜の深夜のみになってしまった。一種の「日本離れ」だ。政権も交代したし、ワシントン在勤の頃に比べ、風向きの違いを感じることがある。
米国の「日本離れ」を指摘しているこの記事ですが、もともと米国で人気がないガンダムをUCBの学生さんに見せても誰も分からなかったことを例に出して「日本離れ」って、さすがにちょっと雑過ぎるでしょう。飲み屋でウンチク垂れているのならいざ知らず、仮にも日本の大新聞の記事なんですから…。
分かる人は分かっているでしょうし、この記事の筆者の方や、この記事を読んで「そうか、米国では日本アニメ離れが進んでいるのか」と鵜呑みにしてしまったような人には、このブログで何を書いたところでどうせ届かないとは分かっているのですけど、でもあまりに気になったので、そのあたりのアニメ事情に詳しくない方向けに解説させていただきますね。
昨年お台場に展示されていた「実物大ガンダム」は、アニメからコミック、ゲームまで数十はあると思われる「ガンダムシリーズ」の一番最初の作品、一般に「ファーストガンダム」と呼ばれる作品に出てくるガンダム(という名のロボット)です。
著者の方は恐らく、「ガンダム」というのは1つの作品かせいぜい続きもののシリーズか何かだと考えていらっしゃるのだと思いますが、実は1979年のファーストガンダムの初放送から今まで、独立した作品がいくつも出ているのです。しかしその中でもファーストガンダムは30年前の作品にも関わらず今でも幅広い年代に高い人気を保ち続けており、その為お台場に登場したのも、最新シリーズのガンダムでは無く、ファーストガンダムだったわけです。
一方、米国でガンダムが放送されたのは日本よりもずっと後の2000年からで、しかも最初に放映されたのは「ガンダムW」という、日本では1995年に放映された、ファーストガンダムとは全く別の新しい作品でした。
このガンダムWは、米国では女性ファンを中心に多少の人気は得たようですが、その後放映された他のシリーズも含め、米国でガンダムシリーズがヒットしたという話は全く聞きません。お台場のガンダムを、特にアニメオタクでもない一般の米国の大学生が誰も知らないのは、むしろ当然でしょう。
そもそも、ファーストガンダムというのはストーリーを簡単に説明すると、宇宙コロニー国家である「ジオン公国」が、地球連邦と独立戦争を戦うという話です。
しかも! 主人公のアムロは、ジオンの独立を阻止する地球連邦軍側で戦うパイロットなのです!
米国の歴史と国民性を考えれば、もしも仮にこのファーストガンダムが米国でヒットして子供たちに大人気になんてなっていたとしたら、賭けてもいいですが全米のPTAが黙ってはいなかったことでしょう(笑)
ちなみに、ガンダムWのほうもやはり、宇宙コロニーと支配者である地球側の戦争の話なのですが、Wの主人公の少年たちはコロニー側なんです。
2000年以降、米国で人気のある日本アニメといえば、ドラゴンボールとポケモンとNARUTOの3つが圧倒的で、これなら知っている学生さんも多いことでしょう。
もう一回り上の年代だと、アニメではありませんが「Power Rangers」(戦隊ものシリーズの米国版)の知名度も高いと思います。
では、なぜ米国で放映される日本アニメが減ってしまったのでしょう?
原因は実は米国ではなく、日本側にあります。
ファーストガンダムが大ヒットした1980年代。日本は団塊Jr.世代が小中学生となり、玩具やアニメ、ゲーム、マンガなどの子供向け市場は活況で、ヒット作が次々に生まれては海外にも輸出されました。しかし徐々に子供の数が減ってゆくにつれ、これらの業界は方向転換を余儀なくされます。一方は減り続ける子供向けに工夫しつつ商売を続け、もう一方ではボリュームゾーンの年齢が上がるのに合わせ、徐々に対象年齢を上げてゆくことで生き残りを図ったのです。
そして現在、日本では毎年数十の新作アニメが放映されますが、その中で「子供向け」の作品など今や少数派。多くが年長のいわゆる「アニメオタク」向けの深夜アニメなのです。
米国が日本アニメから離れる離れない以前に、今の日本ではカートゥーン・ネットワークで放映できるような子供向けアニメ自体がほとんど作られていないのです。
筆者の笹沢氏はサブカルの研究者でも何でもないのですから、別にガンダムシリーズの中身など知らなくてももちろんそれ自体は全く問題は無いわけで、そのへんについて文句つけているわけではありませんので、一応。
こんばんば、美夜様。
この記事おもしろいですね。
ガンダムがアメリカで流行ったかどうかなど全然知りませんでした。
アメリカのPTA云々のくだりは吹き出しました。
たしかにその内容ではクレームがくるでしょうね。(苦笑)
実のところ、私はエヴァンゲリオンは見てもガンダムは見てなかったのです。
よみうりさんももうちょっといい記事書けばいいのに・・・
深夜アニメが子供向けじゃないという指摘も、言われてみれば納得しました。
これも少子化の影響ですかね。日本にもっとたくさん子供がいれば、子供向けアニメの比重が増えたのかも、と思えば社会情勢が透けて見えるようです。
>華乃さん
ガンダムは何度も再放送されていたのでわたしも観たには観たのですが、やはりまだ子供だった上に家にビデオもなかったものですから、飛び飛びにしか観られず、当時はストーリーは全く分かっていませんでした。分かったのは大人になって改めて観てからです(笑)
テレビアニメやゲームなどの業界には、少子化の影響はホント大きいです、はい。
美夜さん、基本USではロボットアニメが禁止です。
何故なら暴力的だからです。他に人が死ぬアニメも禁止です。今はよく知りませんが、私がアニメおたく全盛期はそうでした。
でも、EUは自由なので特に仏ではロボットアニメを中心に大変アニメの輸出がさかんです。
USは自由の国と言っていて、実際は色々と規制が厳しい国だと中学生ぐらいに学びました。
だからピカチューとかでごまかしてますよ。。アトムの最終回もOAされなかったそうです。
今はアニメやマンガが人気なのはEU圏の方々ですよ。おかしいぐらい人気です。。。
>gromit さん
米国は、子供向け番組は厳しいですからね。流血シーンはみんなカットされて放映ですし。
ピカチューはその点、問題が少なそうですよね。
紫月さん、
>主人公のアムロは、ジオンの独立を阻止する地球連邦軍側で戦うパイロットなのです!
ああ、その文化的背景がありましたねえ。。。
カートゥーンネットワークで、日本的なサーガアニメは流行りませんね。
竜ノ子プロのTVアニメ初期作品(あのくだらないマッハ555は除く)なら流行った、いや、いまでも流行ると思います。
キャシャーンは流行るな、ちょっと手直しすれば。
IRONMAN的ヒーローになるかもね。ビターですが。
宇宙船隊ロビンだって、宇宙人との合いの子だから、手直しすればヒットするかもね。。。
たぶん。。。
初めまして
日本ではロボットに乗り込み悪と戦うのが主流ですが
あっちではもっぱらスーパーヒーローがいまだにメインです
ロボット物で実写化されて記録的なヒットになった「トランスフォーマー」は乗り込むのではなくロボ自体に意思があるために受け入れられたと推測します
コモンさん、はじめまして!
確かに、米国では人間のヒーローが戦う作品が中心ですよね、スパイダーマンやバットマンもそうですし。
少年が巨大ロボットに乗り込んで戦う、というフォーマットは日本アニメ独特ですよね。