ゲーム会社が欲しがる人材


 「ゲーム会社に就職する為に、今なにをしておくと有利になるか?」
 この章では、メールなどで多数頂くこの質問に、お答えしていきます。
 ただ、言うまでもありませんが、採用の基準は企業によってまちまちですし、希望する職種によっても当然違ってきます。ここでは、どこのメーカー、どの職種にも当てはまる、標準的・一般的な基準をお話します。



 ゲーム会社に嫌われる人材


 まずは、悪い例からです。


1.ゲームをプレイするのが得意なだけ、の人

 「マンガを100冊読んだら、だれでもマンガ家になれる」
 こんなことを信じている人は、まずいないでしょう。
 しかし不思議なことに、「ゲームをたくさんプレイしているゲームオタクは、ゲームが作れる」と信じている人は、けっこういるようなのです。

 いきなり厳しいことをいうようですが、もしあなたが「ゲームをプレイすることが好き」というだけの理由でゲームの開発職を志望していらっしゃるのなら、1度考え直してみたほうがいいかと思います。残念なことに、これだけの理由でゲーム会社を受けにくる人が大勢います。
 「ゲームをプレイすることが好き」なだけで、「プレイしているときは、ゲームの世界に100%浸りきってしまう」人は、開発どころかバグチェックにだって向いていません。そういう人には、「バグの出そうな個所をチェックし、改良できそうな点を探す」為のプレイなどできません。

 もしあなたが、これからも「純粋にゲームプレイを楽しみたい」なら、ゲーム開発を「職業」として選ぶべきではないでしょう。


2.対人関係が苦手な人

 パソコン1台でゲームを作っていた時代と違い、現在ではコンシューマのゲームソフト1本の制作に、10人以上のチームが組まれるのが普通です。100人以上になることだって珍しくありません。
 大勢で1つの作品を作り上げるのですから、チーム内のコミュニケーションは、大変重要です。
 また、企画担当者など、チームの中心になる立場の人の場合、コミュニケーション能力に加えて、チーム全体を引っ張っていく為のリーダーシップが必要とされます。

 「コツコツ作業をするのは得意だが、コミュニケーションを取るのは苦手」というタイプの人は、残念ながら「ゲーム会社に就職して、ゲーム開発に携わる」のには、向いていないと言えるでしょう。


3.肉体的・精神的に弱い人

 ゲーム開発の仕事には、「締め切り」があります。期限までに作業が終わらなければ、最悪徹夜して仕上げることもあります。
 開発は、チームで行われます。自分のミスは、チーム全体に影響します。また、「モノを創る」仕事であるが故に、「自分の仕事を、途中から誰かに代ってもらう」ことが難しく、病気だろうがスランプだろうが、自分で何とかしない限り、永遠に自分の仕事は終わらないのです。
 ゲームの開発には、プレッシャーがかかることが山ほどあります。もちろんどんな仕事にもプレッシャーはつきものです。しかし、ゲーム開発の場合、その開発スパンが長いことから、期間が長期に及びます。マスターアップ前は残業続きになることも多く、身体的な疲労とのダブルパンチにもなります。
 体力のない人や、プレッシャーに弱い人には、辛い職場だといえるのではないでしょうか。


4.ゲーム以外に趣味の無い人

 「コピーはオリジナルを超えられない」
 マンガのセリフみたいですが、これはゲーム制作にも当てはまります。
 人気ゲームソフトを真似して作っただけのソフトは、絶対に元のソフトよりも面白くなることはありません。
 もちろん、市場に出ているすべてのゲームソフトは、それ以前に出たゲームに何らかの影響を受けています。似たような内容のゲームもいっぱいあります。しかし、ヒットしたゲームには、必ずどこか、そのゲームならでは、の「面白さ」があります。
 人気ゲームを真似したゲームを作ることは、誰にでもできます。ゲーム会社が欲しいのは、「新しい面白さ」を作り出すことのできる人材なのです。
 ゲームしか趣味のない人は、発想の基になるものが、ゲームしかありません。それではとうてい、新しいゲームを考え出すことなどできません。


 ゲーム会社が欲しがる人材


 上記「ゲーム会社に嫌われる人材」に当てはまらない人、というのはもちろんです。
 それと、「ゲームが好きで、ゲームに詳しい」というのは、ゲームの仕事をする以上、当然のことなので、あえて書きません。
 それ以外に、「これ!」というものを挙げてみました。


1.英語ができる人

 ゲーム会社に限らず、就職試験で重視されるポイントではありますが、特にプログラマー及びCG制作者には重要です。
 近年、特に3D、CG関係の開発機材は、ハードもソフトも含め、米国などの英語圏で開発されたものが多いのです。新しい機材を使おうと思えば、「マニュアルもユーザーサポートも英語だけ」なんてことも、ザラにあります。
 ゲーム産業は娯楽産業ですから、常に新しいものをユーザーに提供していく必要があります。技術の進歩に追いつけない会社はどんどん淘汰されるし、社内でも、新しいものを扱えない人は、取り残されてしまいます。
 最新鋭の機器がどんどん入ってくるような、大きな会社を志望している人ほど、英語力が重要、というより必須になってきます。

 また、海外のメーカーと共同でゲームを制作している国内メーカーも、最近では珍しくありませんから、企画担当者も英語ができたほうが断然有利です。
 日本は少子化で人口が減るのは確定事項ですから、今後は日本のゲームメーカーも海外市場に目を向けざるを得ません。言葉というのは外国の人とのやりとりだけでなく、相手の国の人たちの文化や嗜好を知るためにも重要なのです。


2.ゲーム業界に人が持っていない知識やノウハウがある人

 ゲーム産業は、娯楽産業です。ユーザーに飽きられたら終わりです。だからゲームメーカーは、常に新しいものを求めています。
 ハードの性能が上がるに連れ、ゲーム機でさまざまなことが出来るようになりました。それに伴い、ゲームの開発にいろいろな知識や技術が取り入れられるようになりました。
 例えば、ハードがCD-ROMになったときには、動画が入れられるようになり、ゲームの制作に「映像の制作・演出」の能力が必要になりました。これらの分野から、中途採用でゲーム業界に入った人も、少なくありません。
 これからゲームはどのように進化するか。それを考えた上で、先取りした技術を今から身に付けておけば、採用の「決め手」となるかもしれません。


3.ヤル気のある人

 当然、必要条件です!
 いくら才能があったところで、真面目に仕事をしない人は、会社に必要とされません。
 逆に、例え今の時点で知識や技術が不足していても、ヤル気のある人であれば、すぐに身に付けてくれるはずですから。
 どんな仕事でも、これが1番の基本でしょう。

 そしてもちろん、面接のときに「ヤル気はあります!」と言うだけでなく、具体的に何をやったかが重要です。
 ゲーム会社の就職試験には、「中学生のときからゲームプログラマーになるのが夢で、ずっと趣味でゲームのプログラムを作っていました!」といった、気合の入った人が大勢受けにきます。学生時代にゲーム作りの勉強もせず、学校の成績もイマイチ、なんて人が、面接のときだけ「就職したら頑張ります!」などと言っても、会社側にはとても信用してはもらえませんし、実力でもかなわないでしょう。
 就職試験のときに慌てても遅いのです、今この瞬間から「ヤル気」を発揮してください。
 ゲーム会社は、そういう人を求めています。






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