皆さんからのご質問の多い、「就職試験の際の心得」です。
開発の仕事は、「新しいモノを創る」仕事なのですから、「こう言えば受かる」「こういう作品を出せば受かる」という回答は出せません。他の人たちと同じ答えでは、むしろマイナスになってしまいかねませんから。
そこで、このコーナーでは、「こういう回答は駄目!」という例を中心に挙げてみました。
開発職の採用試験では、作品の提出を求めるゲームメーカーがほとんどです。また、この「提出作品がある」という点が、他の業種の就職試験との大きな違いとなっています。
逆にいうと、作品提出以外の点では、ゲーム会社の就職試験と、他業種の就職試験とで、さほど大きな違いはありません。筆記試験対策や面接対策は、一般の就職解説本で充分です。
企画の提出作品に関しては次のページで詳しく説明しますので、ここではまず、それ以外の作品について、順に説明していきます。
プログラマーの試験で作品提出がある場合、何らかの課題や基準が示されているのであればいいのですが、媒体の指定ぐらいしかなかったりすると、何を作ればいいのか悩む方も多いと思います。
プレイできる形のゲーム、それももちろん、面白いゲームが作れれば最良なのは言うまでもありませんが、それもなかなか厳しいですよね。
提出作品には、「超大作」は必要ではありません。短くてもきちんと完成しているものを提出しましょう。
作品を審査する人は、間違いなくプログラミングのプロですから、ソースを見れば相手の力量はだいたいわかります。「ゲームでないと評価が下がる」といった心配は、まずありません。
ゲームでなくても構いませんから、自分の得意なものを、丁寧に作って提出するのが得策だと思います。
デザイナーの試験には、まず間違いなく作品審査があると思います。もし特に求められなくても、面接の際には持参したほうがいいでしょう。
2D専門のデザイナーにしろ、3Dにしろ、デザイナーに求められるのはデッサン力です。従って、提出作品は、特に指定が無いのなら、PCを使った作品でなくても構いません。デッサン力と意欲さえあれば、「入社後3ヶ月でソフトの使い方を覚えて仕事をこなす」ことも可能でしょうが、3ヶ月でデッサン力を身につけようとしてもたかが知れていますから。
ただ、もちろんCGソフトが使えるに越したことはありませんので(特に、即戦力を求めている中小規模メーカーでは有利です)、CG作品があるのなら、提出作品に加えるといいと思います。
また、ゲームの開発は共同作業ですから、「他人の絵に合わせることができない」デザイナーには向かない仕事です。独特の強烈な個性に溢れる作品ばっかりというのでは、減点になり得ます。
「きっちりデッサンができて、いろいろなタイプの絵が描けて、その上でオリジナリティも出せる」という風にアピールできるよう、提出作品をセレクトすることをお勧めします。
提出の際には、クリアファイルに作品のプリントアウトと、各作品の簡単な解説を入れたポートフォリオを作って送るのが一般的です。
送った作品の返却不可の会社もありますので、1社受けるごとに「カラー印刷代+クリアファイル+定形外郵便物の送料」がかかるわけですから、デザイナーの就職・転職活動は手間とお金がかかるのが現実です。デザイナー志望の方は、早い時期からしっかり準備を始めてください。
また、見て欲しい作品が多数あって、全ては送付できないという方は、自分の作品を展示したWebサイトを作り、履歴書などの応募書類にURLを書いてアピールするという手もあります。
ご協力:つづらさん、ありがとうございます
ゲーム会社のサウンド担当者の仕事のジャンルは、幅広いです。「得意なジャンルの曲しか作れない人」や「芸術家肌が過ぎる人」は、求められていません。
また、提出曲が、その会社の過去のゲームの曲に似た曲ばかりというのは、減点になり得ます。会社としては、同じようなタイプの人を何人も必要としませんし、加えて他の応募者もそういった作品を出すことが多いと予想されますから、個性の面でも埋もれてしまう危険があります。
提出する作品は、「得意なのはこれ。かつ、他にもいろいろなのを作れます」とアピールできるように、幅広いジャンルからセレクトしましょう。
このセリフを言ったが最後、その人がいかに「ゲーム」というものを理解していないか、が明白となります。
「じゃあ、なぜ映画を作らないのか?」。こう聞かれて答えられなかったら、もうその時点でアウトでしょう。
「本物みたいなサッカーゲームが作りたい」等も同様です。
本物みたいなのがやりたければ、外で本物のサッカーをやればいいのです。
上記のような答えをする人は、ゲームに対する認識が浅いと判断するしかありません。
「何故、ゲームなのか?」。もう1度、考え直してみるべきでしょう。
ストレートにこう言わなかったとしても、面接官にこういう印象を与えてしまったら、まず不合格です。
「ゲームは得意で好きだけど、絵も音楽もプログラムも駄目な人」など、この世に大勢います。志望動機が消去法では、とうてい就職試験に勝ち残れると思えません。
「自分は、○○の能力があるから、企画の仕事ができる・向いている」と、実例でアピールするべきでしょう
「何でもいい」といえば相手が喜ぶとは限らないのは、就職の際も同様です。
ゲームの開発は、それぞれの分野の専門の人間による、チームで行われます。ゲーム全体を統括する「ディレクター」的な仕事をする人も、ディレクターとしての技能が必要なのです。
アシスタントなどのアルバイトの募集であれば、「雑用でも何でもやります!」という学生さんは歓迎されるでしょう。しかし、開発希望で就職試験を受ける際に「何でもやるから、とにかくゲームの仕事がしたい!」というのでは、「この学生さんは、好きなゲーム会社に入ってみたいだけの、単なるゲーム好きのゲームオタクなんだろう」と思われてしまう可能性大です。
ただし、念の為書いておきますが、例えば「格闘ゲームの女の子キャラの絵が描きたいです。他の仕事はしたくありません!」というような、単なる「仕事のえり好み」は、別の面で駄目です。当たり前ですが。
実話です・・・。
こういうのを見るたびに、わたしはこのサイトの必要性というものを感じてしまいます。入社志望の学生さんでさえ、ゲーム会社に対してこんなに大きな誤解があるのですから・・・。
開発職で求められるのは、モノ創りの上での個性であって、単に変わっている人、ということではありません。こういう書類を書いてくる人たちは、おそらくその辺りを誤解しているのでしょう。
「セルフヌードの写真を送ってくる女性」なども同じです。(これも実話です!)
もちろん、写真やヌードデッサンを作品として送ってくることに問題は無いのですが、モデルが「自分」である必要はどこにあるのでしょう!?
誤った認識に基づく作為を感じずにはいられません・・・。
「個性がある」と「変わっている」は、同義ではありません。変な書類を送って、目立てば勝ち、なほど、就職試験は甘くありません。
フェイスマークは無くても、くだけた文章を企業に送ってくる人全般です。
友達間でのやりとりと、企業へ出す正式な文章との区別もつかないような、社会常識の無い人は、企業には求められていません。
「ゲーム会社は遊びを作る会社なんだから、堅い書類にもフェイスマークを入れるくらいの人のほうがいいんじゃないか」「何気なくフェイスマークを使えるような、ネットやメールに慣れている人のほうが、ゲーム会社には受けがいいんじゃないか」等と考える方がいるかも知れませんが、実際には、ほぼ間違いなく逆効果になります。「公私の区別が付かない、常識がない」か「真面目に受ける気がない」かのどちらかであると見なされるでしょう。
採用する側にしてみれば、「基本的な社会常識を身につけていること」というのは、人材採用において、大変重要で優先順位が高い要素なのです。